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COBI COFFEE Special Interview

自分の好みを知ること – コーヒー豆の選び方から

―まずはCOBI COFFEEについて詳しく知らないという方のために、取り扱っている豆について簡単に教えていただけますか。

「COBI COFFEEで取り扱っている豆は全てスペシャルティコーヒーです。スペシャルティコーヒーとは何かというと、生産された農園や栽培地区が特定できるもの、風味特性があり産地特有の個性を持つもの、品質管理が徹底されているものを定義としています。今日本のコーヒー豆の流通量全体に対して、10%くらいがこれに該当します。ただ、スペシャルティコーヒーだから全て良いというわけでもなく、スペシャルティでないコーヒーにも飲料としての魅力はあります。スペシャルティコーヒーは、それらとは全く別の飲み物で、地域それぞれの味やフレーバーが楽しめるものだと理解して楽しんでいただければ良いかと思います。COBI COFFEEではラインナップを少しずつ変えながら、常時7〜8種類の豆を取り揃えています」。

―その中で、どれをまず選べば良いかと迷う方も多いのかなと思います。

「コーヒーに限らずどんなことに対しても言えるかと思いますが、自分が好きなのはどういう傾向のものなのかを知ることが、選択する上での入り口になるのかなと思います。だからまず、自分の好みを知ることから始めてみてください。
とは言っても、その違いをどう比べれば良いか分からないということになると思うのですが、大きく分けてコーヒー豆の味を決める要素としては二つあります。まず、豆にはテロワール*1があるので、ブラジルはこんな味が多いとか、エチオピアはこんな風味が特徴だとか、タイプはそれぞれ大まかにあります。またそれらのコーヒーをどれだけ焙煎するかという焙煎度合いで味わいは大きく変化します。この二つの要素をまず意識しながら豆を選んでみる、そして飲んで楽しんでみると、味の違いが分かってきて、どんなものが自分の好みなのかが見えてくるかなと思います」。

―シングルオリジンの他に、ブレンドもありますよね。COBI COFFEEのブレンドの特徴はありますか。

「COBI COFFEEの話の前に、ブレンドがどう日本において普及していったかの話になるのですが、日本にまだスペシャルティコーヒーが輸入されてきていない時代には、世の中にあるコーヒーは誰が作ったのか分からないものばかりでした。管理が十分でなかった故に、ネガティブな要素が出てきてしまっているコーヒー豆も沢山あった中で、そのマイナス要素を打ち消して美味しくコーヒーを飲む為の技術として考えられたのがブレンドコーヒーだと思います。だから、ブレンドコーヒーにはその店の個性が一番反映されていると思われる方も多いのではないでしょうか。
ただ、スペシャルティコーヒーにおいては、打ち消すべきネガティブな要素がそもそもないので、かつてのブレンドコーヒーの作り方とアプローチは全く違っています。COBI COFFEEでは、豆の持つ特性をより増進させるような、味のグラデーションをつけられるようなブレンドというものを意識して作っています」。

―味のグラデーションを楽しめるのですね。では浅煎りのCOBI BREND sunnyの特徴を教えてください。

「sunnyは3つの異なる国の豆を使用しています。さらに、精製方法*2も全て違う豆を使用しているんです。そうすることで、口に含んでから舌に乗って、喉を通っていくまでのそれぞれの段階でちょっとずつ味わいの変化を感じられるように作っています。
ちなみにもう一つのdarkですが、こちらは中深煎りの2種類の豆をブレンドしているものです。スペシャルティコーヒーというのは豆の収穫量もすごく少ないので、時期によっては予定していたブレンドの配合で作れない場合もあります。そんな時でも配合を忠実に守るのではなくて、目指す味を表現することを優先させて、時期によってブレンドの割合を微調整しながら作っています」。

おうちでコーヒーを楽しむために(1)

―ご自宅で過ごす時間が多くなっている方のために、気軽に美味しいコーヒーを楽しんでいただければと思って今回このインタビューをさせていただいています。ということで、誰でも気軽に実践出来るよう基本のレシピを教えていただいても良いですか。

「コーヒーを淹れる時、色々な要素の掛け算でそのコーヒーの味わい・レシピというものは決まってくるのですが、例えば豆の種類、使う量、挽き具合、湯温、抽出時間…。なので、このレシピだったら間違いないという大正解のレシピって実はないんですよね。レシピ通りだったとしても、同じ豆を使っていたとしても、仮に豆の鮮度が違っただけで味は全く変わってしまうし、そうなってくると本当は豆の量はもう少し多い方がいいですね、という具合に微調整していかなればならなくなってしまいます。なので、大まかにレシピを参考にしていただきながら、自分の好みを見つけるようなつもりで、コーヒーを楽しむきっかけになればと思っています」。

―では一つの目安として、インタビューを始める前に実演で淹れていただいたCOBI BREND sunnyはどのようなレシピで淹れましたか。

「ひとまずコーヒーカップ1杯分を淹れるという前提で、200ccのお湯を使用して170〜180ccくらいのコーヒーを抽出すると考えて淹れました。200ccのお湯に対して使用したのは13gの豆です。この13gはあらかじめ想定したブリューレシオの範囲内で設定したものです。ブリューレシオという考え方はコーヒー業界で一般的に考えられている豆の量:お湯の量の比率のことで、多くのコーヒー屋さんでおおよそ1:12〜16.6の範囲内でレシピを決めているかと思います。この範囲内で目処を立てて、使用するグラム数を決めてみたら良いかと思います。200ccに対して13gの場合だと、この比率は1:15ということになりますね。そして湯温は大体90℃で、抽出時間は1分30秒注いで2分で落とし切るように淹れました」。

―豆の挽き具合はどれくらいが良いのでしょう。

「豆の挽き具合は正直、どれくらいでも問題はありません。挽き目が細かければ細かいほど抽出効率が高くなるので、抽出時間を短くすればいいですし、挽き目が荒ければ抽出効率は落ちるので、より長く抽出時間をとる必要があります。ペーパーフィルターとネルドリップでももちろん挽き目は変わります。ペーパーの場合は中挽きくらいでとお伝えすることは出来ますが、もしかしたらここが一番の不確定要素になるかもしれませんね。後で詳しくお伝えします」。

―ということは、豆の状態によってもやはり抽出時間は変わるし使用量も変わってしまうということですよね。

「もちろん、焙煎したての豆と1ヶ月後の豆とではまた味が全く異なるのでレシピのコントロールは必要になります。先程の挽き目の話ともつながりますが、例えばご自宅用にコーヒー豆を買われた場合は、もしすぐ飲み切る予定なのであればお店で挽いてもらうのもいいかと思います。ただ、挽いてしまうと豆の酸化も早くなります。もし長く楽しみたい場合は、豆のまま保存し、適宜ご自宅で挽くのがいいかと思います。
ちなみにCOBI COFFEEのパッケージはすごく良く出来ていて、内側にはアルミを貼ってあるので日光を防いでくれますし、空気に触れづらいので酸化もしにくいです。そして、焙煎したての豆からは二酸化炭素が発生するので、その二酸化炭素を放出してくれる弁もついています。このまま保存いただくのもいいですし、もっと長持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめです。個人の感覚ですが、普段の倍くらいの期間は保存可能かなと思っています。焙煎した豆の水分保有量はほとんどないので凍ることもなく、冷凍庫から出してそのまま挽くことが出来ます。更に豆の表面温度が低ければ低いほどグラインダーで挽いた時に均一に挽けるようになります。微分が少ない方が、味もきれいに出やすくなりますよ」。

まずは基本のレシピに沿ってコーヒーを淹れてみましょう
後半にてレシピの応用方法をご紹介します

基本のレシピ(1杯分 / ペーパードリップの場合)
湯量:200g
使用するコーヒー豆:12g〜16g
挽き目:中挽き程度
お湯の温度:90℃

1.まずコーヒー豆を蒸らす為に、使用するコーヒー豆の倍量(15g使用の場合は30g)粉全体に注ぎます。
2.お湯とコーヒー豆が触れてから30秒ほど待ち、その後2〜3回に分けてお湯を注ぎます。
*一度に多く注がずに、均等に分けて注ぐとバランスよく成分を引き出せます。
3.2分前後で、合計200gのお湯を注ぎ終えるようにしてください。

*淹れてみた味が薄いと感じたら、豆の量を増やしてみてください。もしくは、ゆっくり注いで抽出時間を伸ばすことで、成分をより取り出すことが出来ます。

*1フランス語で土地の意味。コーヒーやワインなどの品種における、生育地ごとの特徴を指すもの。
*2コーヒーの果実から種子(コーヒーの生豆)を取り出して乾燥させる方法。

PHOTO : Ryuhei Koumura(@ryuhei.koumura
TEXT : Yukina Moriya

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