BLOOM&BRANCH
COBI COFFEE Special Interview

もっと手軽にCOBI COFFEEの味を

―前後半の2回でご紹介していたコラムですが、ご好評いただいておりますので、特別編として新商品のことを伺えたらと思います。

「ドリップが楽しいよと魅力を伝えてはいたのですが、それでもドリップするのが難しいなと思った人のために、もっと手軽にCOBI COFFEEの表現する味を楽しんでもらうために出来ることを考えた結果、ボトリングのコーヒーを作ろうということになりました。コーヒーの味の調整は突き詰めていけばそれはもちろん難しいことなので、COBICOFFEEが表現したいドリップコーヒーの味がちゃんと再現されていて、尚且つその味が保たれていればそれはいい商品としてお客さまにお伝え出来るのかなと思いました」。

―新商品はボトリングのコーヒーと、カフェオレベース2種ですね。

「クラフトボトルコーヒーの方は5種類の味を用意しています。BLENDのdarkとsunny、Single Originのインドネシア、グアテマラ、エチオピアです。そしてカフェオレベースは甘味の入っていないBLACKと加糖されたSWEETの2種類です。クラフトボトルコーヒーは1本単位から販売していますが、WEB SHOPではセットでの販売もしているので是非味比べして楽しんで飲んでいただければと思います」。

―クラフトボトルコーヒーは、そのまま飲むことが出来るのでしょうか。おすすめの飲み方はありますか。

「極力手間を減らして作れるようにという理想があったので、冷やしてそのまま飲んだり、氷を入れたりして飲んでもらえたらと思います。湯煎などで温めてホットでも飲んでいただくことはもちろん出来ますが、COBI COFFEEとしてイメージする味からは少し離れてしまうかもしれません。どんな飲み方をしても美味しくと思ったのですが、ドリップする時ですら僕たちはホットとアイスでは使うコーヒー豆の量を変えているので、どっちの飲み方でも満足出来る味の落としどころは見つけるのは難しくて…。ということで一番はアイスで飲むのがおすすめです」。

―カフェオレベースの方は?

「カフェオレベースは牛乳で割ることを想定した味にしています。大体コーヒー:牛乳を1:3で割って飲んでください。牛乳は冷たくても温かくても美味しいですよ。お水で割ってアメリカーノにも出来ますし、トニックウォーターで割ってエスプレッソトニックのようにしても美味しかったです。これから暑くなる季節には爽やかでいいですよね」。

COBI COFFEEらしさを目指して

―スペシャルティコーヒーをボトリングで提供しているところはなかなかない気がします。

「コーヒーを充填することはペットボトルでも紙パックでも出来ますが、瓶にした理由は、一番酸化しづらいと思ったからです。あとは見た目の要因ももちろんあります。ペットボトルや紙パックはCOBI COFFEEらしさがないから瓶がいいなと思って。ただ、瓶で作ってくれて、更にスペシャルティコーヒーで作ってくれる工場はほとんどないので、自分たちの味がきちんと再現出来る工場を探して依頼しています」。

―実際飲んでみて、語弊がありますけれど遜色ない美味しさでびっくりしました。

「色んな作り方でやっている工場があると思いますが、ロットが大きければ大きいほどコンビニなどでも売っているような、誰もが想像出来る所謂「コーヒーの味」というものになります。そういった商品を得意とする工場ではスペシャルティコーヒーを扱っているところはほとんどないので、僕たちが表現したいコーヒーの味をどれだけ伝えても再現することが難しいんです。今回お願いした会社さんは焙煎も自分たちでやっていたりもしますし、実際にドリップをしたコーヒーを瓶に充填してくれるところです。まず僕たちがお店でネルを使って淹れるコーヒーの味を口頭で説明して、それを再現したサンプルを一気に50本くらい作ってもらいました」。

「全て飲んでみて、その中で再現性の高いものを僕たちが選んでいくという流れなのですが、コーヒーの味を左右する濃度の部分は、その段階で判断したり調整が出来ました。でも今回は、味の変化をどう調整していくかというのがとても難しかったです。世の中でボトリングされているものや、パックで商品化されているコーヒーは大体添加物を入れることで味の変化を防いでいます。どうしても酸素に触れると酸化するコーヒーは、その酸化によって極端に酸っぱく感じてしまうので、それを防ぐために添加物を入れて酸っぱく感じないように調整しているんですよね。正直自分もどれだけ酸化によって味の変化が起こるかわからなかったので、重曹を添加したパターンも作ってもらって試しました」。

―重曹を入れるというのは一般的な方法なのですか。

「重曹を入れるって特別なことのようにも感じますが、コーヒーのドリップの大会で水を用意する時に、マグネシウムとカルシウムと重曹を添加する水を用意することはかなり普通にあることなんですよ。重曹を入れることで水がアルカリ性に近づくので、コーヒーの持つ酸味を感じにくくすることが出来ます。この考えを応用して今回重曹入りの水でボトリングコーヒーを作ってみました。確かに酸味は感じづらくなったのですが、一方で酸の明るさや華やかさが萎んでしまうなという印象がありました。重曹の量を変化させたパターンも作ってみましたが、結局何も添加しないものが一番理想的な味が再現出来たので、無添加に落ち着きました」。

―ではそれ以外の方法で、コーヒーの酸化は防げているのでしょうか。

「瓶の中に少し入っている空気は、酸素ではなく窒素を充填しています。こうすることで中にある酸素は極限まで減るので、コーヒーの酸化を防ぐことが出来ます。今売っているドリップバッグと同様の考え方ですね。ドリップバッグは中身が粉ですが、パッケージの中には窒素を充填しているので長期保存が出来るようになっています」。

COBI COFFEのこれから

「作ってみて思ったのは、ワインなどと同じように、純粋にコーヒーの味を気軽に楽しめたら良いなと。ワインもボトリングしている飲み物で、基本的には酸化防止剤が入っているものですが、コーヒーも同様の概念で、本当に美味しいコーヒーを酸化を防いだ最高の状態でボトリングすることが出来たなら面白いんじゃないかと思いました。あのコーヒー豆を使ってあの有名な人が淹れたコーヒーボトル!みたいな世界観は今までなかったけれど十分にあり得る未来だし、面白いかなと」。

―ナチュラルワインと同じようにコーヒー豆にもテロワールがあって、その味の再現性を求めているのだから、なくはない話ですよね。

「コーヒー豆自体、今生産量が減っていますし、今の世界的な状況も合わさって、来年以降のコーヒー豆の入荷はこれまで通りとはいかなくなっているかもしれません。それくらい社会情勢をダイレクトに受けているのがコーヒーという世界です。そんな中で新しいことが出来たら良いなと思って今回の商品企画に繋がって行ったのですが、そこからまた発見もあって、もっと深く活用出来たら良いなとは思っています」。

PHOTO : Ryuhei Koumura(@ryuhei.koumura
TEXT : Yukina Moriya

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