Case56

AND WOOLを訪ねて

~ 何気ない日常をちょっと豊かに ~

今回はニットのプロフェッショナル集団「AND WOOL」のディレクター村松さんを訪ねて静岡県の島田市へ行ってきました。

のどかな茶畑の風景を抜けた先に「AND WOOL」の店舗はありました。店舗では毛糸や洋服の販売はもちろん、編み物ができるスペースが併設されていました。そこではニットや刺繍のワークショップを行ったり、地域の方を集めたイベントなども行っているのだとか。そんな楽しそうなスペースに並べられた、家庭用編み機やオリジナルの糸についていろいろ教えて頂きました。

■ ハイクオリティの理由

ディレクターの村松さんは、日本のニットの学校を卒業後、ニットの特待生としてイタリアへ留学、さらにイタリアの高級糸メーカーやファッションブランドで経験を積んだニットのスペシャリスト。手編みや編み機、刺繍まで幅広い技術と知識を活かし、商品開発や企画提案など様々な活動を行っています。
そんなニットのスペシャリストによって作られる「AND WOOL」のニットは、男女問わず使えるデザインと着け心地の良さを兼ね備えた、高品質な風合いに仕上がっています。普段使いにも特別な時にも使えるなど、使うお客様の気持ちにも寄り添ったアイテムとなっています。

かわいいニットアイテムが並ぶ

カラフルなオリジナル毛糸

編み手をを育てるプロジェクト

今回「AND WOOL」の主な活動のひとつ、家庭用編み機を使ったニットの制作についてお話を聞きました。
昔は、一家に一台あったともいわれる家庭用編み機。使い方をしっかり習えば高品質な風合いのクリエイティブなアイテムを作ることができるとても優秀機械なのだとか。しかし現在では衰退し、編み機の会社自体も日本では「DLLES IN (Silver)」の1社のみとなってしまっているのが現実。さらに、編み手の高齢化も進み、編み方を教えることができる人も少なくなってしまっているそう。

そこで「AND WOOL」では、編み手を育てるプロジェクトをスタート。
やりがいを感じることができる在宅ワークを必要としている人たちが少なからずいることを知り、そういった方々に製品づくりを学んでもらい、手伝ってもらうことにしたそうです。 店舗内のスペースを使って作り方を教えるだけでなく、動画で編み機の使い方を配信して、在宅でも学べるような仕組みも考えられていました。最近では、就労継続支援B型事業所のニット工房さんと連携し、働きたいと思う方への雇用を生むことに力を入れ、編み物を通して皆が笑顔になれるような環境作りを少しずつ実現させてるところに感動しました。

SILVER社の編み機

横に引いて編み上げていきます

手先が器用な編み手さん

ニット工房 ライクさん

■ 編み物の楽しさを知る

1からニット作りの工程を紹介することで編み物の楽しさを知ってもらいたいと、「AND WOOL」では、ニットと刺繍のワークショプを日本中で行っています。もし、お近くでイベントが開催されていたら参加してみてはいかがでしょうか?また、「AND WOOL」では編み物キットも販売しています。作り方がSNSにアップされているのでご自宅でも楽しみながら作ることができます。自分で作ったストールを巻いて過ごす冬は、ちょっと豊かな気分の冬になるはずです。

編み物キットを使って

ワークショップで作るストール

ニットを通して繋がる世界

編み物は、糸さえあれば世界中のどこででも特別な道具や言語は必要なく、自由に無限の創作ができます。

この一文をみたとき、確かにそうだなとと、大きくうなずいてしまいました。
ただ、作るためには作り方を知らなければならないけれど、その作り方を共有していくことで、コミュニケーションが生まれ、人と人とが繋がっていく。その結果、誰かが喜んだり楽しくなったり。
何気ない日常がちょっと楽しくなるような「AND WOOL」の活動と製品はきっと、もっともっと広がって行くんだろうなと帰りの電車の中で思うのでした。

スヌード

カシミアとセーブルの柔らかい着け心地のスヌード。

アームウォーマー

カシミアとセーブルの柔らかい着け心地です。

あすま袋キット

簡単に手編みであずま袋を編むことができます。

ニット帽キット

中級所向けの編み物キットです。